初陣

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張遼の名前で、敵は戦う前から逃げ出す兵が続出しております……しかし、敵も鎧、兜を装備せぬまま手に刀や槍だけを持ち、急ぎ数百名の兵士が集結し、張遼を取り囲もうとしています…… 「ふっ♪……この張遼文遠を取り囲もうとしてるのか?……笑止!その囲み、崩してくれようぞ!」 張遼の言葉通り、取り囲む兵達の眉間を正確に次々と突き刺し倒しまくります…… 「はっはっはっ♪……お前達は俺に突き殺されるために取り囲んでるのか?……(いくら雑魚でも多勢に無勢……このままでは、いずれ取り囲まれ……)……しかし、俺には弱い者イジメの趣味はないのだ……もっと骨のある奴はいないのか?」 「「「「「………」」」」」 「どうした?……これだけ雁首揃えながら、この張遼様と渡り合える者がいないのか?」 「皆の者!惑わされるな!……これだけの多数で取り囲めば、いずれ張遼は疲れて捕らえられるぞ!……張遼を殺した者、または捕らえた者には臨時ボーナスを出す!……さらに張角様の親衛隊に推薦してやろう♪……さあ!早い者勝ちだ!張遼を倒し、ボーナスと出世を手に入れろ!」 「誰だ!今言った奴は?……だったらお前が俺の相手をいたせ!」 張遼を取り囲む数百の兵の中から黄巾賊の幹部と思われる者が、張遼を怯える雑兵を鼓舞しました……張遼も声の主が黄巾賊の幹部と思い挑発しましたが、幹部は雑兵の中に紛れ、姿を現しません…… 幹部が姿を現さない代わりに、目先に『ご褒美』をぶら下げられた雑兵達が張遼に襲い掛かっては、張遼に突き刺されてます……しかし、さすがの張遼も、数十人を突き刺し続け、疲れが見え始めています…… 「どうだ!……いかに張遼といえ人間ぐぁっ! 雑兵の中に隠れてた幹部が叫んでいる途中で悲鳴をあげ倒れました……見ると幹部の口には、呂布の戟が突き刺さっていたのです…… 「すまん……馴れない戟を振り回してたら、すっぽ抜けてな……大丈夫……じゃないみたいだが俺は初心者だから許せ!」 雑魚の中に紛れ、雑魚達を上手く鼓舞する幹部を発見し、しかも雑魚達の集団の外、百メートル近く離れた距離から戟を投げ付け幹部の口に命中させてしまう呂布の身体能力の高さ……もはや驚愕としか言いようがありません……
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