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「た、短刀なんて卑怯じゃないですか!ゴロツキさん!」
「ゴロツキさんって……俺には張遼という名前があるんだがな……」
「じゃ、張遼さん!短刀を遣うなんて卑怯じゃないですか?」
「ふっ♪……木刀を握りしめながらよく言うよ♪……じゃ、得物を交換するか?」
「えっ♪いいんですか♪……あっ!でも、長さで勝る木刀のほうが有利ぅっくっ!……
私が、どちらの得物が有利か悩んでいると、その隙に張遼のパンチが腹部に襲い、またまた気絶させられました。
「……おいっ!おいっ!」
「……うくっ……あっ!あれ?呂布さん……もしかして僕、またまた気絶させられてた?」
「ああ……」
「あれ?……今日は行かないんですね♪」
「今日といい、昨日といい、どうして俺をつけまわす?」
「ふふっ♪」
呂布と初めて会話らしい会話を交わせて心から微笑むと……
「な、なにがおかしい!」
眉毛を吊り上げて呂布が怒る……
「あっ!ごめんなさい……呂布さんと初めて会話を交わせたから嬉しくて嬉しくて……悪気はなかったんです……呂布さんを付け回していたのは……呂布さんに興味があったからで……」「俺に興味?……やはり洛陽の都から来た奴は、この栗色の髪が珍しいか?……この碧い瞳が!そんなに珍しいか!」
呂布が怒りを露[あらわ]にして私に噛み付く……呂布の怒りの理由も解らずに
「うん♪……珍しいっていうか羨ましいな♪」
「な……なんで羨ましいんだ?……俺は、この外見のせいで物心ついた頃からイジメ続けられたんだ!」
「えっ?……どうしてイジメられるのかな?……僕はホント羨ましいのに?それに呂布さんならイジメてる相手も跳ね退けられるでしょう?」
「なにを言ってる……俺は体格こそ恵まれてるが奴達……張遼達に勝てるはずない……」
「何故解るんです?……張遼さん達と闘ったんですか?」
「闘わなくても解るだろ!……張遼達は三人……しかも張遼達は十五歳だ……この歳で五年の人生キャリアの差はデカイ!」
「ふぅ~ん……確かに張遼さんは強いと思うけど、他の二人は張遼さんの腰巾着だよ♪……それに人生キャリアなら呂布さんの方が有利でしょう?」
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