君と僕の奇跡

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「くそっ!!」 俺は女を背負い毛布とクッションを持って歩いた。 歩きにくい砂浜に何度も足を取られて転びながらも、海の家に向かって歩く。 「転んでも、転んでも立ち上がる!! そうしたら、いつか道は拓ける!!」 自分に言っているのか、女に言っているのかわからない。 こんなにキツイ思いをしたのは高校の時のマラソン以来だ。 「ハァ…ハァ…。 もう少しだ」 バンッ!! ようやく海の家に着き、壁に手をつく。 そして女を壁に寄りかからせた。 どこも板に釘が打ちつけられていて、扉が開かないようになっている。
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