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この時、僕は不思議な感覚に陥った。こんなにたくさんの知らない人達の前で、こうして僕だけ紹介をする機会、他にあるだろうか。
相手の、多数の人達はいいさ。知らないのは僕の事だけだから、知らない僕について知って、それで解決。
でも僕は?
僕は、自分の事を言わされた挙げ句に、相手の事は何一つわからない。こんな理不尽な自己紹介をする機会、他にあるだろうか。
「というわけで、今日からこのクラスの一員だ。みんな仲良くな」
担任の声ではっとする。気が付けば、背後の黒板には僕の名前が書かれていた。
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