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「あのさあ、来るのはいいけど連絡してからにしてくれよな。俺が行く学校はフィールドワークが多いんだ。クエストに出てたら学校に来てもいないぜ?」
勝手な事を言い合う家族にゲオルグが言うと、さっきの会話に参加していなかった父親が、
「ゲオルグ、その事なんだが、どうしても城下の貴学院では駄目なのか?あそこには魔法も剣術も最高の教師が揃っているんだぞ?」
それは、もう何度も話し合った内容で、父親も返ってくる返事は分かっていたが、それでもダメ元で口にしていた。
「何度も言ったろ?あんな貴族しかいない所で学んでも偏った事しか学べないって。あそこの優秀な卒業者の中には家事一つ満足に出来ないヤツだって珍しくないんだぜ。」
「お前も貴族じゃないか。それに貴族は大抵、執事もメイドも抱えている。家事が出来なくても問題ない。」
憮然とした表情で応えたのはそこを主席で卒業したヨハンだった。
「ヨハン兄はそれでいいかもしれないけど、俺はもっと広い世界を見たいんだ。」
ゲオルグがそう応えると、
「まあまあ、兄貴もゲオルグも落ち着けよ。もうゲオルグも子供じゃないんだ自分が思うようにやらしてやろうぜ。」
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