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アドルフがとりなすとヨハンも父親も渋々と引き下がった。
口では反対しながらもゲオルグが意見を曲げる気がない事は二人共分かっていた。
それにゲオルグが本当に望むなら仕方がないとも思っていた。
基本的にこの家族はゲオルグに甘いのだ。
「ふむ、ではゲオルグ、気を付けてな。妾は政務がある故、明日は見送ってやれないが……本当は政務など放り出して妾の可愛いゲオルグを見送りに行きたいところをヨハンが……」
話の終わりを見計らって女王が言う。
この女王もゲオルグに激甘なのだった。
「遠慮しとく、ヴェル姉に見送られたら国家行事になっちまう。」
慌ててゲオルグが返す。
こんな風にこの物語の主人公、ゲオルグ・ガルデマイスターの出発前夜は更けていった。
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