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またいつも道理の朝だ。鳥の鳴く前に起きて家畜に餌をやる。 大急ぎで食事を済ませ、掃除に取り掛かると突然別室に呼ばれた。そこにはあの豚と知らない若い男がこっちを見てニヤニヤ笑っている。腹が煮えくりかえってきた。 「顔を見ずに済むように背中か尻に入れてやって。柄は貴方にまかすわ。」 「では適当にやりますね。人がいると気が散りますんで二人にしていただきますよ」 男は派手な色に染めた髪をかきあげた。豚は椅子から尻を引き抜くと、脂身を揺らしながら出ていった。 「気に入らねぇババァだ。」 いきなり男が呟いた。先ほどまで顔にあった嫌な笑いはない。ただ強い意思のある顔になっていた。 「…お前。願いはあるか?」 射抜かれるような目が突き刺さる。素直に答えないと何かされるかもしれない。 「…願いは…あの…自分が……自分が誰からも干渉されないこと。…それと、家族を助けたい。みんなに今みたいな辛さを味わわないようにしたい。」 聞き終ると男は道具箱から道具を取り出し始めた。鈍い輝きの針がぎらつく。 「よく言った。背中を出せ。」
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