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僕はこの髪と瞳のせいで誰かと出会っても冷たいと勘違いされ話しかけられることは少なかった。
だから、誰かと話したのは久しぶりに思えた。
「僕に話しかけるなんて、君は変わっているね。」
微笑みもしないで、無表情であえて冷たく言い放つと君は鈴を鳴らしたような声で
「どうして貴方に話しかけたら変わっているの?」
なんて言うんだ。
「だって僕はこんな髪と瞳だし、笑わないから。話かけずらいでしょ」
「そんなことないわ。だって私はその髪と瞳はとても好きだし、貴方だって楽しければ笑うでしょう?それに」
と一息つき、驚く事を言い放つ。
「貴方の瞳の奥は、とても暖かい」
なんて。
そんなことを言われたのは初めてだ。
今までは「冷たい」だの「無感情」だの。
好き勝手なことばかり言われてきた。
それなのに、暖かいだなんて。
冷たい雰囲気を与える僕の蒼白の瞳を、暖かいなんて。
そんなことを言う彼女に、少なからず僕は惹かれていたのかもしれない。
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