世界観の説明

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自律型移動都市は円形の都市の土台に生活空間が築かれ、その外周に移動のための巨大な脚が多数備わっている。また、脚の上端部からはエアフィルター(空気の膜)が出力され、これが汚染物質が都市内に流入するのを防いでいる。このほかにも有機的な建材による自然修復機能など様々な機能が備わっている。都市を作ったのは過去の錬金術師(アルケミスト)達と言われ、その建造技術は既に失われており、都市の中枢部分は都市民にとってブラックボックスである。 大気中に充満する汚染物質が無線通信を遮ってしまい、都市と都市を結ぶ交通や通信の手段は危険で時間も掛かる「放浪バス」に限られるため、各都市同士のコミュニケーションは非常に希薄であるが、その分、ほとんどの都市は自給自足が成り立っており、都市ごとに独自の文化が栄えていることも珍しくなく、大抵の人間は生まれた都市から外に出ること無く一生を終える。また、都市自体にも幾つかのタイプがあり、生活に必要な全ての機能を備えた標準型や、特定の機能に特化した都市もある(特化型の都市でも自給自足は成り立っている)。 都市の動力となる「セルニウム」は世界が汚染されてから発掘されるようになった金属で、都市は自身が保有するセルニウムの鉱山を中心とした一定範囲内を移動し、定期的に補給を行う。保有する鉱山が多い都市ほど移動半径も広がり、地域の移動による季節の変化も訪れる。また、都市がほかの都市と鉱山の保有権を賭けて戦争を行う「戦争期」は2年に1度で、基本的に同型の都市としか戦争を行わない。
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