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「見惚れてた。」
私が素直にそう言うと、駿君がちょっと目を見張って、そしてふっと笑うと耳元で囁いた。
「お仕置きしなきゃ。」
「何でお仕置きなの!」
駿君は痴漢みたいに私のお尻を軽く撫でて、買ってきますと店員の所に戻って行った。
セクハラめ!
一歩出遅れた私は慌てて駿君の元に駆け寄る。
「他に欲しいものない?」
私を見つめながら、思案気な顔で駿君が言う。
「ボクサー…」
「それ以外!」
「う~ん…美佳子さん?」
首を傾げながら、ちょっと得意気に笑うとそう言う。
「だ、か、ら!」
鼻息の荒い私が可笑しいのか、笑いながら目を細めて私の頬をするりと撫でた。
「分かってます。じゃあ…」
これも下さいと店員に渡したのは、シンプルなチェーンのブレスレットだった。
そして、ちょっと照れ臭そうに言った。
「彼女からの贈り物、です。」
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