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「なんかさ、全然全部幸せそうじゃないから。」
「え?」
浩太君がふうと小さなため息をついた。
「前から思っていたけど、美佳子ちゃんは駿君といて幸せ?無理したり我慢してない?」
私が何も言えず黙り込んでしまった事で、その答えは明白だった。
浩太君が心配そうな顔で私を見ながら、言った。
「心が満たされている人の顔じゃないね。」
「…浩太君には関係ないよ。」
辛うじて出た言葉はそれだけだった。
浩太君がゴメンね、と小さく呟いた。
「でも、美佳子ちゃんが幸せそうなら俺も納得して、美佳子ちゃんのゴメンを受け入れるけど、今の美佳子ちゃん見ていたら受け入れられないよ。」
浩太君はもう一度ゴメンね、と言ってグラスの水を飲み干した。
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