13.

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独りよがりかもしれないけど…駿君の為なら命を差し出す事だって出来ると思う。 「何だか、人魚姫を思い出したよ。」 浩太君がポツリと言った。 最後は泡になって消える人魚姫ね。 「そんなに綺麗なものじゃないけど…」 私が戸惑いながら否定すると、ううんと浩太君が笑った。 「綺麗だよ。美佳子ちゃんは心も顔も綺麗。」 私はなんて返して良いのか分からずに、また無意識にコップを手にとった。 「美佳子ちゃんの言いたい事は分かったよ。でも、だからといって俺の気持ちが消えてしまう訳じゃないから。」 「…うん」 それは良く分かる。 相手が誰を好きであれ、だからといって嫌いになんてなれない。 でも… 「でも、もう二人では会わないから。」 「…分かったよ。」 私に出来る事はこれくらい。 浩太君の事を自分自身に置き換えた結果だよ。
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