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「うん、駿君だけで手一杯だから二人ではもう会わないって話した。」
あながち嘘でもない。
「ふーん…」
納得していないのか不機嫌そうな相槌。
「浩太君は駿君が…私の彼氏だって分かってるから。」
浩太君は本物の恋人だと思った上で、私が可哀想だと思っているのだけれど。
「でも、その割りには美佳子さんに付きまとっていたけどね。」
そう、私が可哀想だと思っているから…
「私が隙がありすぎたんだよね。」
私が弱かったから…
「まあ、僕も美佳子さんに付け入った口だから人の事は言えないけど。」
まさか、付け入ったなんて云う言葉が駿君の口から出るなんて思いもしなかった。
“駿が喰っちゃった女の子”
あの時の電話に出た男の人の言葉が頭に過る。
隙があったから、ただ付け入られたんだ。
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