14.

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お目当てのビルに辿り着いたのは2時過ぎだった。 街中はまだ熱気と活気でギラギラして、夏休みは終わっているけれど凄い人の数だった。 残暑が厳しいこの時期に街を歩く事なんてあまりない私は既にバテ気味だ。 「大丈夫?美佳子さん。」 だから、家でのんびりしようかと思ったんだけどと意地悪く笑いながら駿君が私の手を取った。 「迷子にならないように。」 ギュッと絡み合う指はサラリとしていて、程よい圧に私はそのままフラリと歩き出す。 「何か欲しいものでも?」 「うん。」 買うまで内緒だけどね、と心の中で呟く。 いつも貰ってばかりだから、何かお返しをしたいなと思っていた。 でも、若い男の子でお洒落な駿君が何を欲しがるかなんて分かるはずもなく…一緒にウィンドウショッピングして、様子を窺おうと思っていた。
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