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道の先の方にカップルが何やら言い争いをしているのが見えた。
私達がするような、遊びがてらの痴話喧嘩ではなく、男が女に威嚇していると言った方が当てはまる。
嫌な所で遭遇したな、と思った。
気にはなるけど、そのままやり過ごす筈だったのに…
先に見付けたのは駿君だった。
あ、と声を漏らしてそのカップルに近付いていく。
私は落ち着かない気分で一歩遅れてそれに続く。
「何しているんですか?」
駿君が声を掛けた所で気が付いた。
一人はマミさん?
「何だテメエ?」
連れの男性が駿君を威嚇する。ちょっとヤバい目付きの男だ。
「嫌がっているじゃないですか?マミさん。」
駿君が一歩踏み出し、それに気を取られた男の腕からマミさんがサッと身を引いて逃げ出し、駿君の後ろに逃れて慌てて携帯を取り出した。
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