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「警察に通報するから!」
マミさんが叫ぶ。
男は低い声で威嚇の言葉を吐くも、駿君の背中に逃れたマミさんは、相手を揶揄するような言葉を叫んだ。
「気持ち悪いのよ、私の男でもあるまいし。彼氏面すんな!」
男が悪態を吐きながら何やら光る物を取り出したのは一瞬の事だった。
私は声も上げられず、ただ立ち尽くす。
その後はまるでスローモーションのようだった。
男が持っている物がナイフだと気付いた時には、男が回り込んでマミさんに向かってそれを振り上げていて、それにまだ気が付かないマミさんはもしもし警察ですかと口にしていて、慌てて駿君が間に割って入って…
男と揉み合いになり、マミさんが悲鳴を上げて、駿君がその場に倒れ込んで…
「駿君!」
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