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「どういう意味?」
私が詰め寄ってマミさんの肩を掴み声を荒げると、慌てたマミさんが違うってばと口早に言って私の肩を軽く押し返す。
「まだ目覚めてないの。」
「死なないよね?」
私の悲壮感漂う顔に驚いたマミさんがギョッとしたように目を剥く。
「それはないと思う。」
ちょっと間延びしたマミさんの声に、脱力した私は力なく診察台に腰を下ろした。
「えっと、駿の彼女だよね?」
少し遠慮がちなマミさんの声が掛かる。
チラリと目を遣り改めてマミさんを見ると、以前見掛けた時よりも今日は薄化粧で、でも付け睫バッチリで、薄茶色のコンタクトを付けて、髪はクルクルに巻いて、やはり派手だった。
端正な顔立ちだからか、派手な化粧でも下品には見えない。
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