15.

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「もう嫌になった?」 駿君の声が無機質な病室に響く。 今までどうしても離せなかった駿君の手。 いつも私を見捨てないで差し伸べてくれた手。 「…うん。やっぱり、お互いの“好き”が違うからどんどん苦しくなるよ。」 私は駿君の手をソッと振りほどいて、立ち上がった。 「美佳子さん…」 駿君が私を呼ぶ。 でも、私は返事が出来ない。 苦しくて息が出来ない。 “本命の彼女と幸せになって” 言ってあげたいけど、声が出ない。
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