2171人が本棚に入れています
本棚に追加
「後は何とかしなさい。」
どちらに向かって言ったのかは分からなかったが、マミさんはよいしょと言いながら立ち上がると、最後にゴメンねと駿君に言いながら病室から出て行った。
嵐のような一時だった。
「…」
マミさんが居なくなっても、私は顔を上げられず唇を噛み締めたまま駿君の枕元近くを見つめていた。
静かな時間がゆっくりと流れていく。
何がなんだか分からない間に、駿君に告白をさせられて、その告白をさせた当本人には逃げられて放置されてしまった私。
私も一緒に連れて行ってよ!
私は、唇を噛み締めてギュッと目を閉じた。
そうでもしないと涙が決壊しそうだった。
「美佳子さん…」
とうとう駿君が声を出した。
「ごめんなさい。」
最初のコメントを投稿しよう!