15.

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黙りこくった私に駿君が手を伸ばす。 「美佳子さん。」 私はもう一度、膝をついて駿君の枕元に近付く。 駿君の口からどんな言葉が飛び出すのか予想もつかず、この一瞬の間も怖い。 怖くて怖くて仕方がない。 駿君の顔も勿論、見ることなんて到底出来なかった。 「ねえ、美佳子さん。」 駿君が私の髪を軽く撫でながら独り言みたいに言う。 「初めて出会った時の事、覚えてますか?」 うん、と頷くと、ふわりと笑った。 「初めまして桜木駿くん、て美佳子さん言ったんだ。目が合った瞬間に僕は美佳子さんしか見えなくなった。」 衝撃的だったよ、と笑う駿君。 私は思わず視線を上げて、駿君の眼差しとしっかりと絡み合った。
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