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驚いて、声が出せない私の分まで駿君が静かに言葉を紡ぐ。
「初めて会った瞬間に、絶対に美佳子さんが欲しいって思った。だから、年の差は本当に悔しかった。」
それを埋める為に、僕は生まれ変わったんだ。
静かな口調なのに、今まで聞いたことのないような熱い気迫と狂おしい程の情熱を感じて、私はただ夢中で駿君を見つめた。
「美佳子さんにずっと長い間片思いしてたんだよ。」
駿君の指先が私の頬を滑り、唇を捉える。
「だから、手段は選ばなかった。」
ただ頷く私に駿君の本音の言葉が飛び出してくる。
「どうしたら大人になれるのか、年の差は変えられないけど経験値を上げれば良いんだって思った。」
ちょっと微笑んだ駿君は静かに続ける。どこか遠くを見るような、思い出しながら話しているようだった。
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