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「聡史さんも浩太さんと強敵だったから…浩太さんとキスしたって聞いたり、聡史さんと抱き合っている所を見た時には本当に気が狂いそうだった。」
「ごめんなさい…」
でもね、私だって苦しかったんだよ。
怨めしい目付きで見ていたのに気付いたのか、駿君が私の頭を撫でながら甘えた顔で言った。
「美佳子さんが僕の重い愛情に気が付いて、逃げちゃうと困るから、タイミングを図るのが難しくて、その間にいらない邪魔が入ったり美佳子さんが逃げちゃったりで、本当に辛かったよ。」
「私だって…」
「まさか、美佳子さんが僕を好きになってくれていたなんて思ってもいなかったから。長期戦になるかと思っていたから…美佳子さんゴメンね。」
駿君が更に申し訳なさそうに頭を撫でながら謝るから、私はもう良いよと呟いた。
病室に静寂が戻る。
駿君は何も言わずに愛しそうな顔で私を見つめている。
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