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御伽学院……ある封鎖された島にある名門中の名門高校。
しかし合格率がかなり低く、落ちる人はかなり居る。
それもその筈、なんせ選ばれた者しか通えないから…
名門高校とは表向き……
実はこの学院、能力者育成高等学校だった。
しかもただの能力者ではなく、童話の称号を生まれつき持つ人物達のみ。
そして、学院の中で一番地位が高く、高嶺の花と呼ばれる存在……読み手がこの学院に転入してくると学院中が噂になっていた。
……そんな高嶺の花の読み手と呼ばれる少年はド田舎に居た。
周りには田んぼや野原がサンサン。
そこにポツンと置かれたフェンスに誰かがぶつかる音がした。
一通りがない田舎だからフェンスの音が響いた。
「…ぐっ」
小さくフェンスにぶつかった男は呻いた。
よく見ると、フェンスにぶつかった男の周りには5、6人寝転がっていた。
そしてフェンスにぶつかった男の正面に立つ男は荒い息を整えながら後ろでビクビクしている少年に言った。
「……もうイジメなんかされんなよ」
「あ、ありがとうございますっ!!」
男がそう言うと、若干顔を赤らめた少年はお辞儀して素早くその場を離れた。
男は、少年を目で見送ったら冷めた目をフェンスにぶつかってもまだ少し意識がある男を見下ろしていた。
「…ガキいじめて楽しかったか?かつあげなんてする時間あんならバイトしてろ」
そして男が寄りかかっている顔の真横にあるフェンスを蹴飛ばした。
男はヒッと小さく声を出したが、何故か男はフェンスを蹴飛ばした足を見ていた。
男にしては少し細めの足に無駄毛がないツルツルの肌……完璧な美脚だった。
顔は女顔じゃなく、ちゃんと整った美形だ。
身体だって程よい無駄な筋肉はなく、けして女っぽい印象じゃない。
……足以外は…
そして見とれ過ぎたのか、男が気持ち悪い者を見る目で見てるなんてフェンスに寄りかかってる男は知らなかった。
男は足を思いっきり振りフェンスに寄りかかってる男に回し蹴りをした。
フェンスに寄りかかってる男は意識が吹っ飛び倒れた。
そして美脚の男は吐き捨てるように言った。
「……変態が」
これが、後に読み手と呼ばれる花鶏凜である。
現在は在校生12人の超ド田舎の高校に通っている。
……そう、今日までは…
学校の帰り道にド田舎でかつあげするバカを見つけて、ついいつもの癖で助けてしまった。
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