読み手の章ープロローグー

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童話をネタにしたあだ名かなんかか? ……それにしても、確か童話ではオオカミは赤ずきんちゃんの敵(?)じゃないのか?(婆さん食うし…) ますますあの二人からは想像出来ない。 …名前が似てるとか? 疑問に思った俺を解決したのは、いつの間にか教室の目の前に着いていた先生だった。 「称号の説明は聞きましたよね、実は読み手以外は皆さん童話の登場人物の称号なんですよ」 「……じゃあ、赤ずきんちゃんとオオカミも?」 「えぇ、赤ずきんちゃんは小村拓磨くんでオオカミは大海遼くんなんですよ」 そう言って、教室の中を案内してもらった。 誰も居ない筈の教室に誰かの影が見えた。 先生は慌てて影に向かって小走りに走る。 ……あれも生徒か? 「こっ、小日向くん!!此処は下級生のクラスですよ」 「Zzz」 先生の言葉が聞こえないのか無視してるのか、誰かの机に顔を埋めて寝ていた。 …先生の話からすると、上級生なんだろう。 なんでわざわざ下級生のクラスに来てんだ? 誰かを待ってるようには見えないし……日当たりが良いからか?(やたら教室が眩しいな) この人が此処に来るのは今日で初めてじゃなさそうだ。 先生が一生懸命揺すると、起きたのか…唸った。 「うっ、うぅ~ん?」 「あ、起きました……きゃあ!!」 まだ眠そうに目を擦ってる先輩は、一度先生の顔を見た後、物凄い音を立てて机を蹴飛ばした。 机のドミノみたいに周りも巻き込んで倒れる。 ……その机は先輩のじゃないのに…机の主が可哀想に思えた。 先生は驚いて固まっていた。 そして先生は椅子から立ち上がった。 「…チッ、気持ちよく寝てるとこを邪魔しやがって……」 完全に八つ当たりだな。 先生を一睨みした後、先輩は俺を見た。 俺は教室の入り口に居て無関係だ。 それを先輩に訴えるように見ると、先輩はニヤリと笑った気がする。 ……なんなんだ?今日は厄日か? 獣耳男といい、俺は不良に喧嘩売られる体質なのか?(前もよく売られたな) そう思ってると、いつの間にか復活した先生が先輩の方にやって来た。
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