2人が本棚に入れています
本棚に追加
今にも戦争が起こりそうな歓声の中、選手が入場する。
サッカーが未経験な小さな少年はその姿を、正座をしながら、顔をより三倍以上あるスクリーンをまるで獲物を狙うような目で見る。
早く寝なさい!という母親の声も聞こえないくらい、自分の世界に入っている少年。
呆れた母親がテレビを消し、少年はようやく立ち上がる。その態度は、おやつを奪われ、ふて腐れた6歳の子供のようだ。
―水瀬未来―
これから中学生になるとは思えない背の小さな少年で、顔は女の子に間違われても仕方が無いレディーフェイスだ。
未だサッカーの経験がない少年だが、知識は物凄い。世界サッカージュニアクイズがあれば、彼は間違いなく優勝出来るぐらいの知識だからだ。というのも、小学生だった6年間は、ほぼ毎日ようにサッカーのTVかDVDを見ていたからだ。
そして、中学生から始めようと決めていた。
これから水瀬未来の物語が始まる。
最初のコメントを投稿しよう!