第一章 (光が見える世界へ)

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今にも戦争が起こりそうな歓声の中、選手が入場する。 サッカーが未経験な小さな少年はその姿を、正座をしながら、顔をより三倍以上あるスクリーンをまるで獲物を狙うような目で見る。 早く寝なさい!という母親の声も聞こえないくらい、自分の世界に入っている少年。 呆れた母親がテレビを消し、少年はようやく立ち上がる。その態度は、おやつを奪われ、ふて腐れた6歳の子供のようだ。 ―水瀬未来― これから中学生になるとは思えない背の小さな少年で、顔は女の子に間違われても仕方が無いレディーフェイスだ。 未だサッカーの経験がない少年だが、知識は物凄い。世界サッカージュニアクイズがあれば、彼は間違いなく優勝出来るぐらいの知識だからだ。というのも、小学生だった6年間は、ほぼ毎日ようにサッカーのTVかDVDを見ていたからだ。 そして、中学生から始めようと決めていた。 これから水瀬未来の物語が始まる。
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