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「家族なのに、何故恐れる?アンタみたいに受け入れられて当然だろ?」
刹那が希咲にまた聞き返す。
「虐待とか、愛情を感じられない家庭だったら、恐怖を感じるんじゃない?だから、死んだ後も取り憑いているって知ったら怖く感じるんだと思うよ?」
希咲が刹那にそう言い返すと、刹那は足を止め希咲をジッと見た。
いつもなら全然見向きもしないため、希咲は少しドキッとした。
「アンタも、そこまで馬鹿ではないらしいな」
刹那は希咲に向かってそういって、また歩き出した。
希咲は、はっとして刹那の後を追いながら叫んだ。
「試したの?!」
「俺があれくらいも分からないと思ったのか?」
うっ…、そういわれるとちょっと痛い。
一瞬だったとはいえ、実際そう思ってしまったからどうすることも出来ない。
仕方なく話しを変えようと思い何処に行くのか聞いてみる。
「あ、ねぇ、何処に向かっているの?」
「散歩だ。アンタには関係ないだろ」
ついて来て欲しくなさそうな言い方ね…。
「私も一緒に散歩する」
刹那は片眉を上げまた足を止めた。
「どうしてアンタも一緒に来るんだ?俺は一人になりたいんだ」
嫌そうな顔をする刹那を見ながら希咲は答える。
「暇だから。それと、一人になりたいなら私を空気だと思えばいいよ」
私がそう返すと、刹那は諦めた顔をして歩きだす。
私はそれを了解の意と見てまた後を追う。
少し歩くと、刹那のお姉さん達がいた。
何かを話しているようだ。
希咲が何を話しているのか気になっていると、不意に刹那が声を放つ。
「よくそんな妄想をベラベラと吐けたものだな」
6
「那美姉ぇ、那美姉ぇの予想って何?」
ショートヘアの美輝が、那美に話し掛ける。
「多分だけど、あの娘は何らかの霊的トラブルを持っていた。ある日、友達か誰かに刹那の噂を聞いた。それを聞いた彼女は、刹那に霊的トラブルを持ち込んだ。刹那と彼女は次第に惹かれ合って恋に落ちた…」
「よくそんな妄想をベラベラと吐けたものだな」
那美が言い終わると同時に声がした。
声の主は分かっている。
生意気で口は悪いが頭が良くて、霊が見える嫌味な弟、刹那だ。
「妄想なんかじゃないわよ!私は予想を言っただけよ」
那美がそういうと、刹那は鼻で笑った。
「アンタは何か勘違いしていないか?予想というのは、物事の成り行きや結果を前もっておしはかること。また,そのようにして得たものの事を指す。妄想と
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