1.銀色の瞳が語るもの

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は、あり得ないことをあれこれ想像すること。また、その想像。根拠のない判断に基づき、事実の経験や論理によっても訂正されることのない主観的な信念をつくりあげることや、その信念。仏教で、心の迷いから真実でないものを真実であると考えることやまた、その誤った考えの事を指す」 刹那はそこまでいうと、一息吐いてからまた話し始めた。 「というわけで、姉さんの言ったものは妄想。最初の方は当たってるよ」 那美は悔しそうな顔をしながら刹那を見た。 「最初って、どこまで?」 那美の気持ちにはお構いなしに、美輝は刹那に聞く。 「コイツが霊的トラブルを持っていて、俺の噂を聞いて俺にトラブルを持ち込んでくる。ここまでは当ってる」 刹那はそういって希咲を見た。 「俺はコイツに惹かれていないし、コイツがしつこく付き纏ってくるだけだ」 刹那は私を見ては溜め息を吐いた。 どこまでも失礼なヤツ! 「じゃあ、君は刹那が好きなんだ」 は? お姉さん、何を言っているんですか? 希咲はその言葉も出ない程混乱した。 漫画でいえば、口を大きく開け、目が点になっている感じだろう。 「あれ、違うの?」 美輝は希咲の反応を見て違うのかと思い聞いてみた。 「違うも何も、私そんな感情抱いていませんよ?」 希咲は刹那をチラッと見ては美輝に目を戻した。 「な~んだ!違うのか!私たち、てっきり二人が付き合っているのかと思ったのよ」 美輝は笑いながらそういった。 7 ったく、仕方ねぇ。 またアイツを連れ回すか。 先程の言い争いで自棄(やけ)になって飛び出し、一人単独捜査に出た堂本は、天霧神社へ向かっていた。 事故で死んだヤツの魂がまだそこに居れば話しは聞ける。 もしかしたら犯人も分かるかもしれねぇ。 「幽霊ときたら、まずはあの化け物様からだな」 天霧神社に着き車から降り、でかい鳥居へ続く長い階段を前にし溜め息を吐きながら堂本は呟いた。 「クソッ、いつまで経ってもここの階段には慣れねぇ…」 ゼェゼェと息を切らし、階段を上りながら堂本は愚痴を零す。 ようやく辿り着いた最上段の上で堂本は息を整えていた。 「ここへ来る度、余計な体力を使っちまう。どうにかならねぇもんかな…」 堂本はぶつぶつと呟きながら歩いていると、ふと女の声が聞こえた。 そこにいたのは、巫女姿の那美と美輝、そして見掛けない顔の高校生くらいの女の子。 その隣にお目当ての化け物、刹那がいた。
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