2人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
ふと気が付くと、僕らは元の世界に戻っていた。
その場で顔を見合わせながら、しばらく沈黙の時間が僕らを包んだ。
「契約しないと……死ぬ…」
しばらくの沈黙を遮ったのは、意外にもユアンだった。
「冗談に決まってるじゃない、あんなの…」
スーザンは馬鹿馬鹿しいと口では笑っていたけど、顔は笑っていなかった。
「シリウスは……」
僕はこれ以上言葉が出なかった。
シリウスが追放された意味なんて、僕らに知る予知がないから、それを話しても無駄だと思ったからだ。
「今日は、もう帰ろう?」
スーザンはそう言って階段を降りていった。
「そうだな」
ユアンもスーザンに続いて降りていく。
僕も黙って立ち上がり降りっていった。
鐘の塔を出た僕らは、明日またあの鐘の塔へ集まろうということにして、帰路に着くことにした。
最初のコメントを投稿しよう!