始動

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 面倒だからパス……と言いたいのだが、久々に早起きして中々気持ちが良いので届けることするかな……。 「わかったわ、んじゃ早速届けて来る」  回覧板を届ける程度なら差程時間もかからないので鞄は置いとくかな。どうせ家に戻ってくるし。  鞄を食卓に放置し、回覧板だけ持って玄関へと向かう。靴を履いて外へ飛び出すと郵便受けに乱雑に入っている新聞の束を見て少々溜め息が漏れる。  なんでこんなに溜め込んでるんだよ……ここまで来るとわざとやっている様にしか思えねぇ……  呆れ混じれの思いを抱きつつ、郵便受けに入っている物を全て引き出した。  途中、無理矢理引き出し過ぎためか手紙やチラシなどがぽろぽろと落ちていった。  ヒラヒラと落ちていく手紙やハガキを見て、頼みごとなんて引き受けなければ良かったと心底思うと同時に深い溜め息を吐いた。  床に散らばった紙類を見渡すと、足下にある一枚の黒い手紙に視線が行ったのでそれから先に拾うことに。  あ、これおれ宛ての手紙なのか……にしても、手紙が黒いなんて見た事ねぇぞ……。  怪しげに思いつつ、中身が気になるので開いてみる。  えっと、何々……? ―――――――――――――――  この度はValue Gameに御参加頂き、誠にありがとうございます。  召集に付きましては、この手紙を見終えた時点でかけさせていただきますのでご安心して下さい。  尚、あなた方がValue Gameへの参加は必然的に決定していた事なので拒否権は一切無い事ご了承下さい。 ―――――――――――――――
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