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高校二年のクリスマス
俺達はあの時、共に歩くことを誓った。
あれから3年と数ヶ月が過ぎた。
月日が経つのは早いもので、俺はもう二十歳という年齢になりオッサンの仲間入りを果たしてしまった…………。
おっと脳内で思い出に耽っている場合じゃないんだった!
「麗~早くしないと講義間に合わんぞ!」
俺がリビングからそう叫ぶと
キッチンから慌ただしく弁当箱を2つぶら下げて麗が走ってくる。
「待って……はい、お弁当」
俺は麗にありがとなと告げると弁当箱を鞄にしまう。
ついでに感謝の意を込めて頭を撫で撫で…………。
「うゅ……あぅ………」
目を細めて気持ちよさ良さげな顔をする麗は…………ただただ可愛い!
はっ! 遅刻だ!
いやしかし、今更もう遅いか…………。
「とりあえず行こうか麗」
「あ……うん分かった」
俺が手を退けると少し残念そうにシュンとなってはいたが、すぐに笑顔で返事を返してくれた。
そして戸締まりを確認して二人で家を出る。
どこ行くかって?
俺も麗も大学生なのだよコンニャロー!
とは言っても俺は三流大学で麗は有名な女子大だけどな。
その大学が同じ敷地内に隣接してあるという奇跡はご愛嬌!
んでもって入学式的な日な訳でだな。
遅刻はよくないのだが…………。
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