0人が本棚に入れています
本棚に追加
-数分後-
「動きにくいぜ・・・。」
「我慢するのよ。」
アルはメイド服を着てきた。
自前らしいけど・・・
「随分高そうじゃない。豪華なメイド服ってどうなのよ。」
「ああ、高かったらしいぜ。」
「らしい?あなたが買ったんじゃないの?」
「違うんだな~」
アルは大袈裟に首を振った。
「実は、オレには妹がいてな。そいつがコスプレとかアニメとか好きだから、持ってたのさ。」
「ふうん。借り物なのね。」
ちょっぴり残念。
「さて、オレは何をしたらいい?」
アルがにこにこと言う。
・・・どうしようかしら。
先に質問しちゃいましょうか。
「待って。あなたには聞きたいことが山ほどあるの。」
「そうか。いいぜ。どんどん聞いてくれ。」
では、お言葉に甘えて。
「レイって、ここに来る前はどこに住んでいたの?」
「知らん。」
えっ・・・?
「そもそも、共に暮らしてたわけじゃないし。」
「いやいやいや・・・」
知ってるでしょ。それくらい。
「オレはそれ程、あいつについて詳しくないからな。」
「妹さんなんでしょ?」
「一応な。今日が初対面だけど。」
「ええ~っ」
体から力が抜けていく・・・
期待させておいて、なによそれ。
「家庭の事情ってのがあってな。」
知りません。
「うっ・・・!」
「ん?どうした?」
やだ、私ったら。
ショックで目眩が・・・
最初のコメントを投稿しよう!