新人の話

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-数分後- 「動きにくいぜ・・・。」 「我慢するのよ。」 アルはメイド服を着てきた。 自前らしいけど・・・ 「随分高そうじゃない。豪華なメイド服ってどうなのよ。」 「ああ、高かったらしいぜ。」 「らしい?あなたが買ったんじゃないの?」 「違うんだな~」 アルは大袈裟に首を振った。 「実は、オレには妹がいてな。そいつがコスプレとかアニメとか好きだから、持ってたのさ。」 「ふうん。借り物なのね。」 ちょっぴり残念。 「さて、オレは何をしたらいい?」 アルがにこにこと言う。 ・・・どうしようかしら。 先に質問しちゃいましょうか。 「待って。あなたには聞きたいことが山ほどあるの。」 「そうか。いいぜ。どんどん聞いてくれ。」 では、お言葉に甘えて。 「レイって、ここに来る前はどこに住んでいたの?」 「知らん。」 えっ・・・? 「そもそも、共に暮らしてたわけじゃないし。」 「いやいやいや・・・」 知ってるでしょ。それくらい。 「オレはそれ程、あいつについて詳しくないからな。」 「妹さんなんでしょ?」 「一応な。今日が初対面だけど。」 「ええ~っ」 体から力が抜けていく・・・ 期待させておいて、なによそれ。 「家庭の事情ってのがあってな。」 知りません。 「うっ・・・!」 「ん?どうした?」 やだ、私ったら。 ショックで目眩が・・・
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