転倒の話

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私はアン・フランシス。 フランシス家の一人娘です。 毎日、絵画の創作などをして過ごしているわ。何もかも満ち足りていて、不自由は無い。 そんな私にも、悩みがあるの。 それは・・・。 「ねえ、レイ。紅茶が飲みたくなったの。なんでもいいから、入れてきて。」 「かしこまりました。」 今、部屋から出ていったのは、執事のレイ。 私に付きっきりの使用人。 でも、彼は元々流れ者なの。 2年前、突然やって来て、雇って欲しいと頼んできた。素性もまるで知れない人。 でも、彼はよく働いて、この家のために尽くした。だから、お父様に気に入られて、私のお供になったの。 私も、別にレイが嫌いなわけじゃない。むしろ、大好き。 でも、どうしても気になって仕方ないのよ。 レイ程の人が、どうして放浪していたのか。 「お待たせしました。」 レイが入ってきた。 レイ本人は何も話そうとしない。 だから、私がどうにかして、尻尾を掴むの!
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