第一章 終わりと始まり

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2008年4月某日、僕は準大手の証券会社から内定をいただいた。人材業界と証券業界を中心に10社ほど受けて唯一取れた内定だった。今思えば、ろくな準備もしないで就活をしていた自分に恐怖すら覚えるくらいだ。そんな僕でも、何とか内定をいただけたのは焦りが緊張を生み、一瞬でも一生懸命になれたからかもしれない。何故焦りが生まれたかというと、その原因は次々に決まる部活の同期の内定にあった。僕は英語で討論などをする部活に所属していて、現役の頃はそれなりに結果も出してきた。当時は僕を頼り、慕ってくれた後輩もたくさんいた。しかし、4月も中旬が過ぎた頃、同期の二人が超大手企業から内定を取った。
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