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そして、一部の愚かな人間は、その姿を正面から見て真理に直面する。
さる高名な哲学者はこう言った。
「犬は鳴き声が最も恐ろしく、旅は行く前が最も楽しく、女性は後ろ姿が最も美しい」と。
つまりはそういうことである。
あの頃の私は若かった。
如月登志郎十三歳の夏である。
私はそれ以来一切の女性の正面を直視していない。
変態という称号は満場一致で可決されるだろう。
反駁の余地は微塵もないしする気もない。むしろ甘んじて受け入れよう。
私の青春はこうして実に儚く、惨めに過ぎ去っているのだった。
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