1人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
笑う人形
深夜。
私は喉の渇きを覚え目が覚めた。
時計は2時29分。
ベッドから身を起こし、キッチンに向かう。
冷蔵庫から冷えた牛乳を出し、コップに注いでいると…
誰かの話し声がする。
『こんな時間に?』
私は声のする方に、恐る恐る歩いていくと、どうやら五歳になったばかりの、娘の部屋からのようだ。
うっすら部屋から明かりが漏れている。
扉を開けると、娘がフランス人形に話しかけている。
「またお話してるの?」
「だって、この子がお話したいって言ったんだもん。」
『夢でも見たのかしら?』
「もうネンネの時間でしょ?また明日にしなさい。」
私が娘から、その人形を取り上げようと近付くと、娘の方を向いていた人形の首が、私の方にグリンと向くと…
狂った様にゲタゲタと笑い出した。
最初のコメントを投稿しよう!