エピローグ

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「…」 『今日も店には入れねぇな』 『というより、今後入りことができるんでしょうかね』 店の外では黒月が壁に背を預けながら中の様子をうかがっていた。 「まぁ、仕方ないか」 コーヒーを諦め、商店街の中に歩みを進める。 「譲治さんも吹っ切れたみたいだし、ようやく恩が返せたかな」 『龍さんもなかなか厄介なたのみをしてくれたもんだよね』 『ま、そんだけのことはしてくれたんだ。仕方ねぇって』 『不本意ながら、激に賛成ですね』 「"光明"にとって最初の願い。ようやく叶えられた」 満足そうに空を見上げて、軽く笑みを浮かべる。 『それと同時に、お気に入りのコーヒーが飲めなくなりそうだけどね』 翔の言葉が響いた少年の後ろ姿は、少し小さくなったように見えた。
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