第四章 大樹のように
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無言のまま、黒月は答えない。 譲治も言葉を発さずに、黒月の反応を待っている。 「寅さんだよ」 「…そうですか、やっぱり」 「内容までは言えないよ」 「わかっています。何となくですが、わかる気もしますから」 「そう」 「最後にもう一つ、いいですか?」 立ち去ろうとする黒月に、少し大きな声で問いかける。
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