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この二つの約束を胸に、これまでがんばってきた。
軌道に乗って、喫茶店は賑やかに、多くの笑顔が生まれる場となった。
いつしか約束は奥の方へしまわれ、喫茶店の営業することが目的になっていた。
「初心忘るべからず、だよな」
喫茶店を流行らせることが目的じゃなかった。
喫茶店はあくまでも手段であって、本当の目的は祖父のように、客が安らげる時間を過ごしてもらうことだった。
いつしか手段と目的が入れ替わっていたことに、今さらながら気づかされる。
「また、明日からがんばるね。今度こそ、目的を見失わないように」
かつて約束を交わしたベンチに腰掛け、この公園のシンボルともいえる木を見ながらつぶやく。
「二人が好きだったこの公園の大樹のように、広く枝葉を広げてみせるよ」
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