第一章 安らぎの場

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「祖父が亡くなったのは、私がまだ学生の頃でして」 「学生って、大学生ですか?」 「えぇ。まぁ、何かやりたいことがあったわけでなく、何となく通っていただけなんですが」 少し恥ずかしがっているように見えて、二人は顔を見合わせた。 「やりたいことがないなら大学には行け、と親に言われまして・・・」 「何か・・・意外です」 店の中で笑みを絶やさずにいるマスターとは、別人のように思えた。
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