第四章 大樹のように

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「その行事も3回目だね」 背後から急に言葉をかけられたにもかかわらず、譲治は驚く様子も見せずに振り返る。 「ええ、毎年これだけは欠かせませんからね」 「龍さんは満足してるのかな?」 「さぁ、何せ祖父の好みを知らないもので」 黒月の問いかけに、譲治は寂しそうな表情で答えた。 「これも、ただの自己満足ですから」 そう言って、墓から離れて歩き出す譲治の後ろを、当然のように黒月は付いていく。
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