第四章 大樹のように

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「彼女たちに、貴方との関わりを聞かれましたので」 「で、話したわけ?」 「別に隠すことでもありませんから」 「話すことでもないんじゃないの…」 「その時に言われたんですよ。”祖父はどうしても私に店を遺したかったんですね”って」 それを聞いて、黒月の片眉が持ち上がった。 「言ったの日崎さんの方かな?」 「よく分かりますね」 「そういう直観的なことを言うのは、多分そうだろうなって」 言ってから空を眺める黒月は、おそらくあの二人のことを思い出しているんだろうと見えた。
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