プロローグ

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カナカナカナカナカナ カナカナカナ… 月の光だけ頼りになる暗闇の中には、蝉の鳴き声が鳴り響く。 先程、バイトが終わり、自宅に帰る途中だ。 公園に通り、そのまま真っ直ぐに行けば、自宅だ。 今はその家路にたどっている。 いつものように、公園の中に歩き、ボーッと青白い月を眺めながら歩いていた。 今日のご飯は何かな? 今日も一段と蒸し暑いなぁ…。 など、いつもと変わらない日常を味わっていると、今まで感じたことがない違和感を覚える。 今まで青白い月を見つめていたのに、今度は灰色一色に暗転する。 急に肺が悲鳴をあげているかのように咳き込みたくなってくる。 「あ゙ゔ…ゲホッカホッ…!」 どう表現すれば良いだろう…?お腹と脚がナイフで刺されたかような痛みが走ってくる。 灰色一色にしか見えないなぁ…。 少し、お腹の痛みを堪え、回りの状況を把握するために少しだけ無理して頭を動かす。 頭を動くたびにお腹や頭がハンマーで殴られたようにジンジンと痛くなる。 その痛みをぐっと堪え、ゆっくりと見渡すと、 お腹辺りに真っ赤な血が染み込んでいた。 なんで、灰色にしか見えないんだろう…と思ってたら、古びて色褪せたコンクリートの上で倒れていたからだ。 (ああ…お腹と脚からドクドクと血が流れている…。 確か…知らない人から銃を向けられて…。 ああ…そうか…撃たれたんだ…) 少女は、どうしてこうなったのかな? と考えるが…非常に眠くなる。 どんどん瞼が重くなり、そのまま深い深い暗闇の中に吸い込まれる。
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