プロローグ

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先程、眠ってしまわれた少女は、どこでもいそうなありふれた普通の家庭で過ごしていた。 少女の名は、美琴夜 空姫(みことや そらひめ)と言う。 8月24日生まれ。もうすぐすれば、18歳になる。 家族は、両親、祖父、弟がいる。 その少女は、聴覚障害者である。 そして、家族の中で唯一瞳が森の様に沢山の木が囲まれているような翡翠色をした綺麗な瞳をしている。 それと同じ様に翡翠色の髪の色を腰辺りに伸ばしている。 この生れつきの瞳と髪の色はよく、絡まれたもの。 「化け物」とか「本当に血繋がっている?」とかいろいろ罵られた時もあった。 でも、空姫はこの色が好きだったから、堪えていた。どんなに化け物扱いされても…だった。 今は、高校に入っていたが、上手くやっていけれなくなり中退した。今はバイトをしているところだ。 ちょっと変わっている容姿をしているだけで、後は他の人とは何にも変わらない。 容姿さえ除けば、どこでもいる少女だった。 そして、この時まで知らなかった。 少女は、何故先程の人に撃たれた理由は、その少女の中に隠されたあるものがあったからだ。 世界を揺るがすぐらいの秘めたる「力」があったということを…。
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