忘れ去られた島

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「はあー!涼しい! まったく、あいつら何回プロレスやるんだよー、汗かいたし…」 俺は 友達のプロレス技から逃げるように、船のデッキにいた。 船上から見る海は、月明かりに照らされ すげえ神秘的だ。 海風も気持ちいい。 あれ…… あそこにいるのは…… 赤髪で体格の良い男がひとりで海を眺めている。 ……………鉄次じゃないか!! 近づきたくねー…… 海なんか見ちゃって あいつも意外とロマンチストだな。 「わあ!!!!」 「うひゃあ!!!」 とっさに振り向くとはるが満足そうに笑っていた。 「何だよはるかよ!!びっくりしたなあー。」 「あははは!!何今の情けない声!あははは!!」 「いや…笑いすぎでしょ。こっちはガチだから。ね…」 「あはは!ごめんごめん。あ、うわー!!海すごいキレイだよー!!!」 「ああ……そうだね。」 お前の方がキレイだよ。 何て口が裂けても言えない。 ドン引きだな。
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