忘れ去られた島

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「ねえ」 「ん?」 「私たちさ…、卒業してもこうして笑いあえるかな?」 「なーに言ってんだよ!当たり前だろ。」 「……だよね。」 「拓也はさ、就職するんでしょ?私は、進学だから離ればなれだね…」 「…けど、そんなとおーくに行くわけじゃないんだから、いつだって会えるよ。」 「うん……そだね。」 俺たちは、進む道は決まっていようと 少なからず、将来に不安を抱いていた。 だけど、それは俺たちだけじゃない。 あそこにいる 鉄次だってそう。 いつまでも、突っ張っているわけにいかないことくらい 自分でも気付いてるいるだろう。 みんな、変わりたいと思いつつも 変わることが不安なんだ。 「はる…。」 無性にはるを抱き締めたくなった。 「大丈夫。ずっと一緒だよ。」 はるは、腕の中で小さく頷く。
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