父と母の出会い

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「どうも、よろしく」 父は少しはにかみながらも、はきはきした声で挨拶をした。 「初めまして。 今日はごゆっくりしてって下さいね。 立ち話もなんだから、こちらのお席にどうぞ。」 母は笑顔で父をカウンターテーブルに案内をした。 父と母の初めての会話だった。 小さいスナックなので、金曜の夜とはいえ、お客さんは割と少ない。 店員も3人くらいしかいない。 「俺いつものやつね。」 キープしているボトルの水割りを注文する田中さん。 よっぽど会えた事が嬉しかったのか、いつもにまして上機嫌だ。
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