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「お父さん…」
「どうした?」
「家ってどれ…?」
「どれって、目の前にあるだろ!」
「あっちの家じゃないの?」
と隣の家を指差す。
「あっちの家は、父ちゃん達に家を貸してくれる河原さんの家だ。」
「本当にここで間違いないの…?」
「当たり前だろ!」
その言葉にがっくりうなだれて、動く気力もわかない。
まだ間に合う!
頼むから
『冗談だ!』
と言ってくれ!
高史!!!
と父の背中を見つめる。
が、
私の気持ちも知らず、
黙々と荷物を運んでいる。
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