8人が本棚に入れています
本棚に追加
その日はそれ以外に変わったことはなく帰宅
「ただいま…」
「おかえり、廉」
「おかえりお兄ちゃん」
ん?
なんであんたらニヤニヤしてんだ?
「早く着替えて来なさいよ」
「そうだよお兄ちゃん、クスクス」
なんだ?
「ふう…俺の部屋…っと」
「…なんでいるの…?」
「…俺のセリフだ」
「…早苗が言ったんだから早苗の…」
「そうか、まあいいや、どうやって入った?」
「…玄関叩いたら…開けてくれた…」
宇宙人って言われるの予想してたから…普通の返事にびっくり
「ホントに…お前の行動は驚きの連発だよ…」
結局昼食ったあと、5限まで起きなかったし
「…て…照れる…」
顔を赤らめるな、照れるべき場所じゃないぞ
「なあ吉田…」
「早苗」
「…早苗」
「?」
「飯、食ってくか?」
「…そのつもり…」
普通だったら図々しく奴なんだけど…許されてしまうのがよし…早苗
「そうか、そんじゃ着替えていいか?」
「…即日…セクハラ…?」
「即日交際も妙技だよ」
「…廉…ツッコミのキレが悪い…」
そりゃお前といたらツッコミのキレも悪くなるよ、会話にキレが無いし
そんな事を思いながら部屋着に着替える俺
「ふう、疲れた…」
ベッドに転がると早苗が横に座る
「…横…空いてる…?」
「あいにく空っぽだ」
「…失礼します…」
横にコロンと寝転がる早苗、こう見ると本当に小さい、身長は150あるくらい…もしくはそれ以下だし…手足も細い
「……」
「…廉…」
「どうした?」
「早苗の事…好き…?」
「…一日で惚れた、ってのもなんか違うけど…早苗といると楽しい、他の女の子の友達よりも、誰よりも楽しいよ」
「…きっと…好き…」
「かもな」
早苗が笑う、思えば初めて見る表情、凄く可愛い、純粋で、無邪気
「…早苗…廉…好き…」
「知ってるよ」
さて…そろそろ文句言ってもいいころだよな…
「雅美、母さん、見えてるから」
「ばれてたの!?」
「最初からな」
「いやー…お兄ちゃんが可愛い女の子家に呼んでるからつい…」
母さんはさっと階段を下りたみたいだな
「お兄ちゃんって…ロリコンなの?」
…ロリコンなの?と言われて否めない男子高校生の姿がそこには在った
というか、俺だった
最初のコメントを投稿しよう!