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「素質はあるのかもしれないな」
妹の質問にそう答えてみる
「じゃあ私もいつもそんな目で…えへ」
「えへ、じゃねぇよ、シスコンではないから安心しろ」
「それはそれでつまんないんだけどなぁ…」
一体どうしろってんだ
「…廉…お腹空いた…」
「ああ、そうだな、下行くか」
と、階段を降りると、ニヤニヤした母さん
「廉君は可愛い女の子を捕まえたのねぇ」
「いや、俺が捕まった側だよ」
「…捕縛…」
「捕獲にしてくれ」
早苗は笑いながら頷く
「お兄ちゃん捕まっちゃったんだ、ふーん、そうなんだ」
なんで俺の妹はこんなに皮肉な笑いかたをするんだろう
「まあそんな事はいいんだ、母さん、晩御飯まだ？」
「もうできてるわよ、彼女さんも一緒に食べるんでしょ？」
「聞いてたのか、大丈夫だろ？」
「全然いいわよ、でもお父さん遅いわねぇ…」
いや、母さん、お父さん今日夜中になるから先食っててって言ってたよな
「先に食べちゃいましょうか」
そういって盛り付けをし、テーブルに運んでくる
ほほう、酢豚とな
「お兄ちゃん、今日ね、私が作ったんだよ！」
「そうなのか、雅美の料理もここまで到達したのか」
「…上手…」
「彼女さんもそう思うでしょ！」
「…早苗…」
「え？」
でた、単語のみの発言
「……」
「えっと…何？」
雅美の奴困ってるぞ、笑えるな…
「早苗って呼んでくれってさ」
「あ、ああ！わかりにくいなもう！」
「…ワッか作りにくい…？」
「…え？」
でた、不可解な発言
「何、なんなの！？」
「…いただきます…」
「おう、ドンドン食ってくれ」
「お兄ちゃん！」
「ん？」
「今の何！？」
「あれに関してはスルーでいいんだってよ」
雅美はなんでわかるの、なんて呟きながら箸を持つ
そりゃ、一日あれば慣れるからな
「廉」
「ん？」
「…酢豚…パイナップル…」
「入ってる方が好きなのか？」
「…嫌い…」
「そうか」
別にそれ以降続くわけでもない会話に、雅美は凄く不可解、という顔をする、こういう子なんだよ
「早苗さん？」
「…はい…」
「お代わりいるかしら？」
「…いただきます…」
「はいはい、ちょっとまってね」
といいながらこっちくる母さん、何用だ？
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