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「ちょっと待てよ! 俺は『ソーサラー』じゃねえぞ」
人間には誰しも魔力と呼ばれる力を備えている。
その魔力を用いて特殊な力を発生させることができ、これを魔術という。
しかし、魔術を行使するだけの魔力を有している人間はごくわずかで、そういった人間をソーサラーと呼ぶのだ。
「そんなの関係ないわよ。サブジュゲイトにはソーサラーじゃない人だって沢山いるんだから」
「だとしたって何で俺が」
「うちの部隊長の命令なの」
ピュアは片手を腰に添えて気だるそうに言った。
まるで自分の本意ではないと言わんばかりだ。
「『オプスキュ・グリード』。これがあたしの部隊長の名前よ」
聞いた瞬間、ユリクの中に衝撃が走った。
オプスキュ、おそらく一生忘れることのできない名だ。
ユリクは銀色の頭をかきむしった。
「やっぱり知り合いなんだ」
ピュアの口振りからすると、二人の関係については知らないようだった。
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