第一幕 旅立ち

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「ちょっと待てよ! 俺は『ソーサラー』じゃねえぞ」 人間には誰しも魔力と呼ばれる力を備えている。 その魔力を用いて特殊な力を発生させることができ、これを魔術という。 しかし、魔術を行使するだけの魔力を有している人間はごくわずかで、そういった人間をソーサラーと呼ぶのだ。 「そんなの関係ないわよ。サブジュゲイトにはソーサラーじゃない人だって沢山いるんだから」 「だとしたって何で俺が」 「うちの部隊長の命令なの」 ピュアは片手を腰に添えて気だるそうに言った。 まるで自分の本意ではないと言わんばかりだ。 「『オプスキュ・グリード』。これがあたしの部隊長の名前よ」 聞いた瞬間、ユリクの中に衝撃が走った。 オプスキュ、おそらく一生忘れることのできない名だ。 ユリクは銀色の頭をかきむしった。 「やっぱり知り合いなんだ」 ピュアの口振りからすると、二人の関係については知らないようだった。
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